イタリア紀行4〜パルマvsレッジーナ@パルマスタジアム〜

今回私達のこの旅行には2つの大きなプロジェクトが組まれていた。
1つは、「中村君と朝食を」(未達)、そしてもう1つは、「神様ジーコ様にサインをもらう」でした。
この日の日本人対決をジーコさんが観戦に来ると言う事を聞きつけ、いつでもサインをもらえるようにと、私は出発前にカバンにブラジル代表ユニ(偽)をしのばせておいた。
残念ながらW杯準決勝を一緒に観戦した思いでのユニはカバン共々盗まれてしまった。
しかし、幸運にもサインペンだけは生き残っていた。
2つ目のプロジェクトを完結させるべく、私達はジーコさんが到着するであろうVIP席入り口前で待つことにした。
ジーコさんが到着する前に、パルマの選手を乗せたバスが到着。こちらは檻の中にバスが到着したため、それほど近くまでは寄れないものの、中田の姿も見ることが出来た。
相変わらず中田はファンに手を振るような事は全くしない。
それから数分後、スタジアムの中にシルバーのベンツが入ってきた。「あれだ、あれに違いない!」私達の声を聞きつけ、報道陣も集まってきた。
そして加藤久ちゃん日本サッカー協会強化委員などを引き連れジーコさんがやってきた。
すぐにものすごい人だかりとなった。TVカメラ、インタビューアーなどがジーコさんを囲んだ。
私も入り口付近で待ち構え30cmほどの距離に大接近を果たし、サインペンを差し出した!
が、残念ながら丁重に断られた。もしブラジル代表を身につけていたならば、私は断然目立っていたし、プロジェクトも完遂する事が出来たかも知れないと思うと、改めて失ったものの大きさに気づく。悔しさを胸にスタジアムの中に入る。
セリエAビッグ6」と呼ばれるチームの中に含まれているパルマ、私は前日に見たミラノのようなチームを想像していた。それに反して、非常に地方色が出ているチームであることに気づく。
レッジーナパルマ共に練習を開始する。中村君がすぐ近くで練習を始めた。思っていたよりもしっかりとした体つきだ。中田はチームの先頭に立ちアップを行っている。
そして試合開始。中田はチームキャプテンと共に、チームメイトに指示を出している。
完全な中心選手だ。試合は両チームともにボールの蹴り合いとなり、試合内容としては今一つ。しかし、レッジーナでは中村だけが良いプレーを見せてくれた。
前半は0−0で終了してしまったが、後半に入りアドリアーノの個人技でパルマが先制すると、試合終了間際にはムトゥからアドリアーノへパスが決まり、結局2−0でパルマの勝利。中田は右のサイドでのプレーだったが今一つ存在感を見せる事が出来なかった。
試合が終わる頃はものすごい寒さとなっていた。
私達の全ての観戦予定が終了し、あとはドイツへ向けて帰るだけとなり、改めて現実が見えてきてしまった。
パスポートがない者2名を含む私達、無事帰国が出来るのであろうか。
そんな事を考えながら、試合終了後私達はこの日の宿泊先であるミラノ市内へと車を走らせた。

続く。